2026年改正行政書士法の要点|有償書類作成・特定行政書士・両罰規定(コラム42)

2026年1月1日、行政書士法の一部を改正する法律(令和7年法律第65号)が施行されました。行政書士に相談できる範囲、行政手続の書類作成を有償で行う業者の注意点、特定行政書士による行政不服申立てなど、依頼者・事業者に関係する変更を日本行政書士会連合会の公表資料に基づいて整理します。

改正の主なポイント

  • 使命・職責の明確化:行政手続の円滑な実施や国民の権利利益の実現に資するという使命を明示。法令・実務に精通し、公正・誠実に業務を行う職責、デジタル社会を踏まえたICT活用等の努力義務を規定しました。
  • 特定行政書士の業務範囲の拡大:従来の「行政書士が作成した」書類に係る許認可等から、「行政書士が作成することができる」書類に係る許認可等に関する行政不服申立て手続へ対象が広がりました。
  • 無資格者の有償業務制限の明確化:第19条第1項に「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言を加え、報酬の名称によって規制を免れない趣旨を明確にしました。
  • 両罰規定の整備:一定の違反に関して、行為者だけでなく、所属する法人等に対する罰則の適用範囲を整備しました。

「コンサルティング料」「手数料」なら大丈夫、とはいえません

行政書士または行政書士法人ではない者が、他人の依頼を受け、名目を問わず報酬を得て、業として行政書士法第1条の3に定める書類作成等を行う場合、業務制限が問題となります。許認可申請書、官公署提出書類、権利義務・事実証明に関する書類等について、形式的に「無料作成」と表示しても、別の料金に実質的な対価を含めている場合は判断が必要です。

「2026年から初めてすべて禁止になった」という意味ではありません。日本行政書士会連合会は、従来からの業務制限の趣旨を明確化した改正であり、改正前の行為についても当時の法律への抵触があり得ると説明しています。無償の情報提供、一般的な相談、本人自身による申請作成、他法令で認められた業務、省令の要件に該当する一部の電子手続などを、無条件に一律違法とは扱いません。

特定行政書士と通常の行政書士の業務範囲を区別する

一定の研修・考査等の要件を満たした特定行政書士は、法定の範囲で行政不服申立て手続の代理等を扱うことができます。2026年の改正によって、対象となる許認可等に関し、過去にその行政書士自身が申請書を作成していなかった場合でも、法定要件を満たす手続を扱えるようになりました。ただし、あらゆる訴訟や不服申立てに無制限に代理できるわけではありません。

当事務所が個別案件について特定行政書士による代理を受任できると約束するものではありません。相談内容・資格・実際の業務範囲を確認し、必要に応じて弁護士等の専門家との対応範囲を区別します。

事業者が発注前に確認したいこと

  • 外注する業務は、官公署に提出する書類等の作成に当たるか。一般的な情報提供と個別の有償書類作成を区別しているか。
  • 発注先に行政書士等の資格・対応権限が必要か。許認可ごとの他法令や特例が適用されるか。
  • 「会費」「システム利用料」「コンサル料」に書類作成の対価が含まれるか。契約・請求書・業務実態を突き合わせているか。
  • 依頼先・業務範囲・報酬・成果物・申請手続の本人確認をどのように管理するか。

当事務所の業務案内は、許認可申請および契約書・各種書類作成をご確認ください。具体的に受任できる内容や報酬は案件ごとに確認し、他士業の独占業務や紛争代理を当事務所の担当範囲と混同しません。

一次資料・制度の確認先

情報確認日:2026年11月2日。一般的な制度案内です。業務該当性、委任・受任の可否、適用例外は、各手続の根拠法令・具体的な対価や実務の内容によって判断が異なります。