育児・介護休業法の2025年改正|3歳から就学前の柔軟な働き方と事業主の対応(コラム35)

2025年10月1日から、育児・介護休業法の改正により、3歳から小学校就学前の子を養育する労働者が柔軟な働き方を選べるよう、事業主に新たな措置が義務付けられました。小規模事業者でも、育児休業制度の案内だけで準備が完了するわけではありません。

5つの措置から2つ以上を選んで整える

厚生労働省の説明では、対象となる従業員向けに、事業主は次の5つから2つ以上を選択して実施し、労働者は用意された中から1つを選んで利用できるようにします。

  1. 始業時刻等の変更(時差出勤など)
  2. テレワーク等(月10日以上)
  3. 保育施設の設置・運営など
  4. 就業しながら子を養育しやすくする休暇(年10日以上)
  5. 短時間勤務制度

労働者のニーズや職場事情を踏まえて措置を選び、過半数労働組合または過半数代表者からの意見聴取の機会を設ける必要があります。「どれか1つだけ導入」で済む制度ではありません。

個別周知・意向確認と就業規則の確認

子が3歳になる前の所定の時期に、選択した措置の内容・申出先等を個別に周知し、利用意向を確認することが求められます。具体的な期間と方法は次項で確認してください。また妊娠・出産を申し出た時や子が3歳になる前の適切な時期には、育児と仕事の両立に関する意向の個別聴取・配慮が必要です。実務上は、就業規則・育児介護休業規程、申請書、周知文書、勤怠管理・給与計算の整合を確認しておくことが重要です。

制度を説明する時期と対象者を確認

個別の周知・意向確認を行う時期は、原則として子が3歳の誕生日の1か月前までの1年間(おおむね1歳11か月から2歳11か月まで)です。周知する内容は、事業主が選んだ2つ以上の措置、申出先、残業免除・時間外労働や深夜業の制限に関する制度です。面談または書面交付のほか、FAX・メール等は労働者が希望する場合に利用できます。

対象は原則として3歳から小学校就学前の子を養育する労働者(日々雇用を除く)ですが、適切な労使協定がある場合には勤続1年未満や週の所定労働日数2日以下の労働者を制度の対象から除外できる場合があります。厚生労働省:個別周知・意向確認の時期と対象を参照してください。

業務の実態に合わせた制度にする

テレワークが難しい職種でも、始業時刻の変更や休暇制度など別の選択肢があります。対象者への周知方法、申出期限、利用条件、業務引継ぎを具体的に整理すると運用が安定します。就業規則等の確認は就業規則・社内規程、労務全般は労務管理相談をご参照ください。

関連コラム:小規模事業者の労務書類(コラム15)/就業規則を見直すタイミング(コラム11)。制度の選択と書類・社内規程の整備をあわせて確認できます。

厚生労働省の一次資料

情報確認日:2026年10月29日。事業規模、雇用形態、労使協定等によって個別確認が必要となる事項があります。相談の際はお問い合わせからご連絡ください。