2026年10月からカスハラ対策が義務化|小規模事業者の相談窓口と社内手順(コラム37)

2026年10月1日から、改正労働施策総合推進法等に基づいて、職場のカスタマーハラスメント(カスハラ)防止措置が事業主に義務付けられました。接客業だけでなく、電話、メール、インターネット上のやり取りを伴う事業でも対応を考える必要があります。

カスハラと通常の苦情・意見は違う

厚生労働省は、顧客等の言動について、①顧客・取引先・施設利用者などからの言動であること、②業務の性質等を踏まえ社会通念上許容される範囲を超える言動であること、③その言動によって労働者の就業環境が害されること、という要素を示しています。商品やサービスへの正当な問い合わせや合理的な苦情を一律にカスハラと扱うものではありません。

事業主が整える主な対応

事業主はカスタマーハラスメントの禁止に関する方針と対応方法を明確にし、労働者へ周知すること、相談に応じる窓口を設け適切に対応すること、被害が生じた際の従業員への配慮、再発防止の仕組みなどを整える必要があります。通報した労働者への不利益な取扱いを防ぐことも重要です。

小規模事業所で実施しやすい点検

相談担当者を決め、連絡経路を文章化したうえで、来店時・電話・SNS・メールの応対についてエスカレーション条件を決めます。危険な行為がある場合は一人で対応せず安全確保を優先し、対応の日時・内容・担当者などを必要な範囲で記録します。記録に含まれる個人情報の扱いにも留意してください。

相談受付から再発防止までの確認表

厚生労働省の指針に沿って、小規模事業所でも次の項目を担当者と期限を決めて確認すると運用につなげやすくなります。

  1. 方針・現場対応:暴言、脅迫、長時間の拘束などへの対応基準を文書化し、必要なら管理者への引継ぎ・複数人対応・警察への連絡を行うことを周知する。
  2. 相談窓口:相談先と連絡方法を従業員に知らせ、相談を受けた担当者が事実関係を確認できるようにする。
  3. 事後対応:被害を受けた従業員への配慮、対応記録、再発防止策を検討する。相談者のプライバシーを保護し、相談を理由とした不利益な取扱いをしない。

正当な苦情・要望を排除せず、消費者の権利、障害を理由とする差別の禁止、合理的配慮の必要性にも注意してください。業種・事案に応じた具体的な対応は厚生労働省の公式の指針と資料を参照します。

求職者等へのセクハラ防止措置も同日施行

2026年10月1日には、採用面接やインターンシップなどに関係する求職者等へのセクシュアルハラスメント防止措置も義務化されました。カスハラとは対象となる相手や場面が異なるため、採用担当者向けの周知も必要です。相談窓口を共通にする場合でも、求職者等が利用できることと対応方法を明確にします。

関連コラム:労務トラブルを防ぐ日常管理(コラム10)/就業規則を見直すタイミング(コラム11)。相談窓口の運用と社内規程の改定を分けて検討できます。

参考資料と相談

規程や従業員への周知を確認する際は就業規則・社内規程、運用面は労務管理相談もご参照ください。ご相談はお問い合わせへ。情報確認日:2026年10月29日。