再婚後の相続で確認しておきたいこと(コラム23)
熟年の再婚では、相続に関する確認が重要になることがあります。再婚後は、配偶者、子ども、前婚の子、親族、住まい、預貯金、不動産など、相続に関係する人や財産関係が複雑になる場合があります。
家族関係と財産を整理する
まず確認したいのは、現在の家族関係、相続人となる可能性がある人、主な財産の内容、住まいの名義などです。誰にどの財産が関係するのかを把握しておくことで、遺言書作成の要否や今後の準備を検討しやすくなります。
遺言や財産管理の準備
遺言書の作成、財産管理、任意後見などを検討する場合は、本人の希望と現在の財産状況を具体的に整理しておくことが重要です。相続開始後に初めて確認するより、関係者が元気な段階で準備しておく方が対応しやすい事項もあります。
自筆証書遺言を作成する場合、法務局の自筆証書遺言書保管制度を利用する方法があります。遺言書の保管申請は遺言者本人が行い、代理人による申請・郵送申請はできません。窓口の申請には予約が必要で、法務省「遺言者の手続」と法務省「手続の予約」に様式・申請先・予約方法が案内されています。保管制度は遺言の内容の法律上の有効性を保証する仕組みではないため、作成に当たっては法定の要件を確認してください。
専門領域を分けて確認する
当事務所では、行政書士業務として対応できる書類作成や確認事項の整理を行います。相続・遺言に関する相談内容は相続・遺言・生活設計でもご案内しています。
登記、税務、紛争対応など他士業の専門領域が関係する場合は、必要に応じて司法書士、税理士、弁護士等への相談をご案内します。
再婚相手の子と前婚の子を整理する
相続人の範囲を考えるときは、「今、一緒に暮らしている人」と「法律上の相続関係がある人」を分ける必要があります。たとえば、再婚相手に子がいる場合、その子と自分との間に親子関係や養子縁組があるかによって相続の扱いは異なります。前婚の子との親子関係も、再婚という事情だけで一律にはなくなりません。
- 現在と過去の婚姻関係、子の関係、養子縁組の有無を整理する
- 不動産・預貯金・保険について、名義と希望を分けて確認する
- 遺言書などで意思を残す必要があるか、専門家に確認する
個別の相続人・相続分の判断には戸籍等の確認が必要です。一般的な説明だけで結論を出さないでください。
再婚に伴う手続・書類全体から整理したい方は、先に公開したコラム22「熟年再婚前に確認しておきたい手続と書類」もご参照ください。本記事では、そのうち相続関係に重点を置いて説明しています。
連れ子・前婚の子と相続人の関係
法律上の婚姻をした配偶者は原則として相続人になります。一方、再婚相手の連れ子は、再婚しただけで相手方の法定相続人になるわけではありません。自分と連れ子が普通養子縁組をすれば法的な親子関係が成立し、相続人になる場合があります。
前婚の子についても、親が離婚・再婚したという事情だけで実親との親子関係が消滅するわけではありません。ただし、特別養子縁組等がある場合は別途確認が必要です。戸籍、養子縁組の種類、遺言の有無で判断が変わるため、具体的な財産の帰属は専門家に確認してください。
一次資料:国税庁:相続人の範囲と法定相続分 / 法務省:養子縁組の法的な効果。
最新の関連制度・解説:自筆証書遺言書の保管制度(コラム32)/相続登記の期限と申請義務(コラム33)。遺言・相続関係と不動産登記の資格業務は分けてご確認ください。
手続・書類について確認したい方へ
現在の状況と確認したいことをお知らせください。対応できる業務、必要な資料、進め方、費用をご案内します。
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