事実婚・パートナー関係で整理しておきたい書類(コラム25)

熟年のパートナー関係では、法律上の婚姻だけでなく、事実婚や同居、生活費の分担、財産管理、将来の介護、相続、住まいなどについて確認しておきたい場面があります。

この記事の目次(5項目)

生活上の取決めを整理する

生活費の負担、住まいの利用、財産管理、緊急時の連絡先など、日常生活に関係する事項は、関係が良好な段階で整理しておくと後から確認しやすくなります。

将来の場面も想定しておく

病気、介護、転居、死亡などが生じた際には、家族や親族との関係、住まい、財産、死後の手続などについて事前の準備が重要になることがあります。相続や遺言を含め、必要な事項を分けて確認しておくことが有効です。

書類として整理できる範囲

当事務所では、行政書士業務として対応可能な書類作成や確認事項の整理を行います。生活設計や相続・遺言については相続・遺言・生活設計もご確認ください。

結婚・再婚に伴う手続と事実婚に伴う取決めを区別する場合は、熟年再婚前に確認しておきたい手続と書類(コラム22)、前婚の子・連れ子・養子縁組を含む相続関係を確認する場合は、再婚後の相続で確認しておきたいこと(コラム23)も参考にしてください。事実婚と法律婚では法定相続人の扱いが異なります。

紛争対応、登記、税務、医療上の判断など他の専門領域が関係する場合は、必要に応じて該当分野の専門家への相談をご案内します。

書面で合意する事項と制度上の権利を区別する

事実婚・パートナー関係では、生活費の分担や緊急時の連絡先を双方で決めることと、法律上の配偶者として扱われることは同じではありません。取り決めを書面化しても、相続や医療上の判断について希望どおりの権限が生じるとは限らないため、制度ごとに確認が必要です。

  • 住まい・生活費・家財の管理など、二人で合意できる事項を整理する
  • 相続・遺言・死後の手続など、別途制度の確認が必要な事項を洗い出す
  • 医療・介護施設の緊急連絡先や面会等について、実際の取扱いを事前に確認する

書面を作る場合は、内容に応じて行政書士、弁護士、公証人など適切な専門家に相談してください。

相続の権利と公的年金の認定は別

内縁関係にある相手は、法律上の配偶者と異なり、民法上の法定相続人には含まれません。二人で生活費の分担を書面にしても、それだけで相続権が生じるわけではありません。死亡後の財産承継を希望する場合には、遺言等の別制度と法的な要件を確認する必要があります。

一方、公的年金の一部の手続では、事実婚関係にあった配偶者が対象となる場合があります。日本年金機構は、事実婚関係と生計同一関係に関する申立書や証明資料を案内しています。相続、年金、健康保険、医療・介護の連絡先を同一の権利として扱わず、制度ごとに必要な書類・条件を確認してください。既に遺族年金を受給している方が新たに事実婚(内縁)関係となった場合は、受給権を失う事由に該当することがあります。コラム24「熟年結婚と年金・社会保険の確認ポイント」と日本年金機構の失権届案内も確認し、実際の該当性は年金事務所へお問い合わせください。

一次資料:国税庁:内縁の相手と法定相続人の範囲 / 日本年金機構:事実婚・生計同一関係の申立書。

手続・書類について確認したい方へ

現在の状況と確認したいことをお知らせください。対応できる業務、必要な資料、進め方、費用をご案内します。

運営:廣瀬行政書士・社会保険労務士事務所。本記事は一般的な情報提供を目的としています。法令・制度・必要書類等は変更される場合があります。個別の状況については最新情報を確認のうえご相談ください。サイト利用上の注意