有期契約の無期転換ルール|5年超の申込権と更新時の明示事項(コラム39)
契約社員やパート・アルバイトなど、有期労働契約を更新している職場では、無期転換ルールと契約更新時の労働条件の明示が重要です。労働者が一定の条件で無期労働契約へ転換を申し込める仕組みであり、会社側の契約書や雇用管理に関係します。
同じ使用者との契約が通算5年を超えると
同じ使用者との間で有期労働契約が更新され、通算契約期間が5年を超えた労働者は、原則として契約期間中に無期転換を申し込む権利が生じます。労働者が権利を行使した場合、使用者は申込みを拒めません。無期労働契約で働き始めるのは、申込み時点の有期契約が満了する日の翌日です。例えば契約期間1年で更新している場合、5回目の更新後の契約期間中に申込権が発生するのが基本例です。
契約がない期間(クーリング)をどう数えるか
有期労働契約と次の契約の間に無契約期間があっても、必ず通算期間がリセットされるわけではありません。直前までの通算契約期間が1年以上なら、原則として6か月以上の無契約期間がある場合、それ以前の契約期間は通算しない扱いです。直前の通算契約期間が1年未満の場合は、期間の長さに応じて必要な無契約期間が異なります。雇用契約の開始・終了日と更新履歴を確認してください。
また、高度な専門的知識等を持つ労働者や定年後の継続雇用者などには、法律上の特例が適用される場合があります。一般ルールだけで断定せず、厚生労働省:無期転換ルールのQ&Aと無期転換ルールの特例を確認してください。
無期転換と正社員化は同じではない
無期転換によって変わるのは、原則として雇用期間が有期から無期になることです。転換しただけで職務、賃金、働き方のすべてが通常の正社員と同一になるわけではありません。別段の定めがない場合の労働条件や適用する就業規則を、事前に整理しておくことが必要です。
2024年から追加された更新時の明示事項
2024年4月からは、有期労働契約の締結・更新時に更新上限の有無と内容を明示すること、無期転換申込権が発生する更新のタイミングごとに無期転換の申込機会と転換後の労働条件を明示することなどが必要になりました。すべての労働者に対して、就業場所・従事業務の変更範囲を明示するルールもあります。
更新上限を後から変更するとき
契約締結後に更新回数や契約通算期間の上限を新設したり短縮したりする場合には、理由をあらかじめ説明する必要があります。また無期転換を避けることだけを目的とする雇止めは、労働契約法の趣旨との関係で問題となり得ます。形式的な更新手続だけで済ませず、更新の経緯と業務の実態を確認してください。
関連コラム:労働条件通知書と雇用契約書(コラム6)/就業規則を見直すタイミング(コラム11)。無期転換の申込機会の明示と転換後の労働条件を整理できます。
厚生労働省の解説
雇用契約・社内規程の整理は就業規則・社内規程をご覧ください。個別案件はお問い合わせからご相談ください。情報確認日:2026年10月29日。

