65歳までの雇用確保措置|2025年の経過措置終了後に会社が確認すること(コラム36)

高年齢者雇用安定法に関する経過措置は、2025年3月31日で終了しました。これにより、従来の労使協定で継続雇用の対象者を限定していた企業も、2025年4月以降の雇用確保の仕組みを確認する必要があります。ただし、すべての企業に定年年齢を65歳へ変更する義務が生じたという意味ではありません。

65歳までの雇用確保には3つの方法がある

厚生労働省の案内では、65歳までの雇用確保のため、企業は原則として次のいずれかの措置を講じます。

  1. 定年制そのものを廃止する
  2. 定年を65歳まで引き上げる
  3. 希望者全員を65歳まで継続雇用する制度を導入する

継続雇用の仕組みを選択すれば、定年60歳という定めを維持したうえで雇用確保措置を取ることもできます。定年引上げと再雇用制度を混同しないようにすることが重要です。

2025年3月31日に何が変わったのか

以前は、一定の事業主について、継続雇用制度の対象者を旧来の労使協定の基準で限定できる経過措置がありました。この仕組みが2025年3月31日に終了しています。2025年4月1日以降は、希望者全員の65歳までの継続雇用など、法令に対応した制度を用意する必要があります。

希望者全員と例外的に継続雇用しない事由

「希望者全員」を対象とする継続雇用制度でも、就業規則に定める解雇事由・退職事由(年齢に係るものを除く)に該当する場合の取扱いまで一律に禁止されるわけではありません。継続雇用しない場合にも、客観的に合理的な理由があり、社会通念上相当であることが必要です。ただし、解雇・退職事由とは別に、継続雇用する人を絞り込む独自の選別基準を設定することはできません。例えば「会社が必要と認めた人だけ」など、旧来の基準を漫然と残さないよう注意します。

雇用条件の提示方法と労使協定・就業規則の文面を照合し、制度の対象外とする規定がないか確認してください。厚生労働省:雇用確保措置Q&A(就業規則・継続雇用)が具体例を示しています。

就業規則・再雇用の運用を点検

雇用確保の仕組みを整える際は、定年規定、再雇用の申込手続、労働条件の提示時期、職務・賃金・所定労働時間、社会保険等の扱いを整理します。就業規則に古い選別基準が残っていないか、従業員に制度が周知されているかを確認してください。

70歳までの就業確保との違い

65歳までの雇用確保措置と、70歳までの就業確保に関する努力義務は制度上の位置づけが異なります。70歳までの措置を含めた人事制度を設計する場合は、対象者・制度の形式・労使協議等を区別してください。

関連コラム:入社時・退職時の手続(コラム14)/社会保険の加入対象(コラム8)。再雇用時の資格取得・喪失や労働時間に応じた加入条件も別途確認してください。

相談先と資料

制度の確認については就業規則・社内規程、労務管理相談もご覧ください。

情報確認日:2026年10月29日。個別の雇用契約や就業規則の変更は、既存制度と対象者の状況を確認して進めてください。お問い合わせからご相談いただけます。